細部の作り込みが進んで、作りの粗さが減ってきたように思えます。 けっこう改善されてきているとは思うのですが、まだ変な所も残っています。
やはり気になる Finder
フォルダのウインドウをアイコン表示にしている場合にスクロール位置を記憶してくれません。 ファイルがたくさんあるフォルダの場合、ウインドウを開くと必ず一番上の部分が表示されるので、いちいち目的の場所を探してスクロールさせなければならず面倒です。
しかし、なぜか記憶されている場合もあるようです。 このデタラメな動作は止めてほしいところです。
Finder だけではないと思うのですが、どうも気が利かないというか配慮が足りないというか、いたらない OS になってしまったと思ってしまいます。
システム関連のフォルダやアプリケーションの名前が日本語で表示されるようになりました。 ファイル名とは別に表示名の情報を持つようになり、Finder などがその情報を使用して表示するようになったのです。
その日本語の表示名を Finder 上で変更するとどうなるのか? ファイル名がその名前に変更されます。 そして、そのファイル名が Finder でも表示されるようになりました。
このやり方はいいのだか悪いのだか... よくわかりませんね。(苦笑)
この日本語で表示してくれる機能ですが、Finder の環境設定で、常にファイル拡張子を表示する設定に変更すると、なぜか日本語の表示名ではなくファイル名が表示されるようになってしまいます。 Finder のバグでしょうね。
まだ使えない Mail.app
これがもっとも残念なところかもしれません。 標準テキスト形式でメールを作成した場合のワードラップ処理は変更されました。 この変更は期待したのですが... 残念ながらまだ問題が残っていました。
英語でも日本語でも72文字付近で自動的に改行されるようになっています。 しかし、英語が72文字なら日本語はその半分の36文字で改行させるのが普通です。
せっかく変更があったのに、なぜこのような基本的なところで問題が残ってしまうのか。
このような簡単な問題で使用できないのはとても残念です。 すぐに改善してほしいところです。
以前のバージョンでは、改行する位置が文字種の変わり目だけだったのですが、その問題は改良されているようです。 例えば、ひらがなが長く続くとその途中では改行されなかったのです。
ことえり
Mac OS X 10.2 が発表された時に一番うれしかったのがことえりの改良です。 10.1 の時にも大きめの変更があったので、今回また大きな変更が入るとは思っていませんでした。
文脈学習機能などで変換が賢くなったようですが、これはしばらく使用してみないとわからないと思います。 今これを書いている限りではうまく変換してくれていると思います。
口語への対応も良いと思います。 設定を切り替える必要がないというのも良いところです。 シンプルなのはことえりのこだわりなのでしょうね。
変換候補の意味と用例を表示してくれる機能は以前から欲しかった機能です。 他のインプットメソッドでは以前から採用されていた機能なので、ことえりにも付けてほしいと思っていました。 現状では、どのインプットメソッドでも意味や用例の情報が出てくる候補が少ないので、もっと増やしてほしいですね。 簡単な国語辞書や漢和辞書のように使えると便利だと思うのです。
漢字の部品から変換できるのも便利そうですね。(漢字に弱いので。苦笑)
いわゆる機種依存文字は JIS X 0213 で追加された文字というマークが出るのでわかりやすくなったと思います。
鉛筆メニューのアイコンで選択されている入力文字種がわかるようになったのも良いと思います。 本当は文字入力のカーソルがある位置を見るだけでわかるような仕掛けがあると良いと思うのですが。
確か、古いヒューマンインターフェースガイドラインか、スクリプトマネージャの説明の中にメニュー項目が多い場合にはスクリプトメニューが表示できなくなる事もあるので、パレットウインドウを表示するのが良いと書いてあった記憶があります。 確かにパレットを見れば入力モードなどもわかって良いのかもしれませんが、邪魔になるのですよね。(苦笑)
文字パレットはことえりとは独立して、日本語以外の文字も扱えるようになりました。
新しい文字パレットに Unicode ブロックの分類で表示する機能も付いたのはうれしい追加です。 以前にあるプログラムを作っている時に、Windows 2000 の文字コード表示で Unicode ブロックによる分類が表示されているのが便利だと思った事があったのです。 普通の人には不要な機能だろうと思いますが。
グリフ一覧という機能もあるのですが、これはフォントに含まれている文字が全て表示されるのだろうと思います。 見た事のない文字がたくさん入っているようですね。
残念だと思ったのは、日本語の表示に今まであった JIS コードの表示がなくなってしまった事です。 JIS X 0208 と JIS X 0213 の両方が表示されているのはわかりにくいからという事なのかもしれません。
アンチエイリアス
滑らかな文字と言われている機能ですが、今回は標準、弱、中、強から選択できるようになりました。 この選択は迷うところがあります。
液晶ディスプレイを使用しているので、中 - フラットパネルに最適を使用するのがいいのかもしれません。 この設定は液晶の画素が RGB パターンで並んでいる事を利用しているようなのですが、細かい部分で色がにじんでいるように見えるところがあるのです。
標準では色のにじみは感じないのですが、少し弱いような気がします。
Mac OS X 10.1.5 では Carbon アプリケーションでもきれいなアンチエリアス表示が可能になりましたが、アプリケーション側の対応も必要でした。 しかし、10.2 ではアプリケーション側の対応は不要になり、必ず新しいアンチエリアス表示になるようです。
そのためか、Internet Explorer の表示も少し変わりました。 アドレスバーに表示される URL もアンチエリアス表示されるようになりました。 10.1.5 で使用した場合は隣り合う文字がくっついてしまって読みにくくなる場合がありました。
IE の環境設定にある滑らかな文字の設定を変えても変化しなくなっているようです。
UNIX
Teminal は日本語の表示が可能になったようですが、シェルが対応していないようです。 日本語の扱いはまだまだいまいちそうですね。
10.2 でという事ではないのですが、シェルスクリプトが使えるのは便利だなと思う事がありました。
少し関係ない話になってしまいますが最近、いわゆるブロードバンドルーターを購入しました。 NEC の Aterm BR1500H です。 これの WAN 側 DHCP クライアント機能がいまいちでして... ケーブルモデムとルータの電源を同時に入れると DHCP によるアドレスの取得ができないのです。
原因はケーブルモデムの方が起動に時間がかかるため、通信できる状態になる前にルータが DHCP でアドレスを取得しようとするのです。 取得できない場合はリトライしてくれれば良いと思うのですが、なぜかしてくれません。
自動取得の要求時間を指定できる機能があるのですが、この設定は取得できている場合でもこの間隔で再取得するという設定でした。
この問題を改善するために、Mac OS X の起動中にルータに対してアドレスの取得を行わせるシェルスクリプトを実行させるようにしました。 このような事が簡単にできるのはやはり便利だなと思いました。
AppleScript でもできそうな気はしますが、面倒な事が多いのですよね。
ルータは、FireWall の機能が欲しかったので購入しました。 Mac OS X になるといろいろな機能が動いているので心配だからです。
10.2 からは共有にファイアウォールの機能が追加されました。 少しだけ試してみたのですが、これは FreeBSD の ipfw 機能を使用しています。 設定を見たところでは TCP の設定は良いのですが、UDP の方はあまり制限がかかっていないようでした。
10.2 に付属の ipfw では動的ルールも使用可能になったようですし、UDP の方にももっと制限をかけた方が良いのではないかと思うのですが。 共有機能に対するファイアウォールだということなのでしょうね。